カラーユニバーサルデザインの普及啓発活動

カラーユニバーサルデザインに関する知識と理解を広めていきます。

市民・企業・行政・教育機関等の社会全般に、セミナーやホームページ、パンフレットなどを使いカラーユニバーサルデザインに対する知識と理解を広め、色の配慮の必要性をお伝えします。また、依頼に応じて講師の派遣も行っています。
教育機関・教育現場へ正しい色弱の知識や問題点・注意点をお伝えします。また、色弱の児童・生徒に対し、それぞれの教育現場で偏見や誤解、差別のおこらないよう正しい知識をお伝えします。
進学や就職などでも同様に、企業側を含めて正しい知識と理解を広める活動をおこなっていきます。
色弱の方やそのご家族に対し、ホームページなどを利用して正しい知識をお伝えし、心の配慮を含めたケアをします。

カラーユニバーサルデザインに関する相談・助言活動

カラーユニバーサルデザインを実現するには既存の製品や施設の配色・デザインをどのように改善すればよいか、また新製品や新たに建設する施設をどのようにデザイン・設計すればよいかについて、ご相談を承ります。

実際にモニター作業に入る前に、カラーユニバーサルデザインに関する一般的な、または個別具体的な相談に応じ、助言を行います。デザインづくりの参考として意見が欲しいといったご要望にもお応えします。
どのような色を使えばカラーユニバーサルデザインを達成できるかは、ケースによって異なります。たとえばコーポレートカラーやテーマカラーが予め決まっている場合には、それをベースにして分かりやすい配色やデザインを考える必要があります。色以外にどのようなデザイン的配慮が有効なのかも、ケースによって異なります。
当機構はこれらの条件を考慮して、もっとも低コストでもっとも有効な対処法を助言します。

カラーユニバーサルデザインのモニター・検証事業

製品や施設がカラーユニバーサルデザインを満足しているかモニターして検証します。

既存の製品や施設に対しては、製品を拝見するか施設の現場を訪問するなどして、カラーユニバーサルデザインの観点からどこに問題があるのかをチェックし、コストや時間を勘案しながら改善法を提案します。
新規の製品や施設に対しては、開発・設計段階から作業に参加して、カラーユニバーサルデザインを達成するためのさまざまなモニター作業や、デザインに関する助言を行います。この内容には、

  1. 製品開発の実情に合わせた基礎的データーを取得するための作業協力。
  2. デザイン原案に対するカラーユニバーサルデザイン達成度の評価と、さらなる改善法の助言。
  3. 配色計画を立てる際の、最適な色を選ぶためのモニターと助言。

などを含みます。また、製品開発中の場合などは、依頼主の要望に応じて守秘契約を結ぶことができます。
現在、当機構ではカラーユニバーサルデザインの対象者として、P型とD型の色弱者(先天性赤緑色弱*)を主眼においています。人数が非常に多く、タイプが 明確に4つに分かれているので対策が取りやすく、視力が一般と変わらないので一般の人が利用する全てのものに対して配慮が大切だからです。
当機構では眼科の精密検査を受けたP型強度・P型弱度・D型強度・D型弱度の4タイプの色弱者をモニターとして登録しており、製品や施設の色使いが4タイプそれぞれの色覚にとって見分けにくくないかを当事者がチェックします。4タイプのどれかの色覚に対して見分けにくい色使いがあった場合は、

  1. 用いられている色調を微妙に変えることで、4タイプの色弱者及び一般の人の全てにとってなるべく見分けやすい配色になるよう、どの色をどの方向に変えればよいかを助言します。
  2. さらに、色に頼らなくても情報が識別できるようなデザインを助言します。

カラーユニバーサルデザイン認証マーク(CUDマーク)の発行事業

検証の結果カラーユニバーサルデザインを満足していると認められた場合、その印としてカラーユニバーサルデザインマーク(CUDマーク:下図)を発行します。
CUDマーク

CUDマーク

上記のモニター作業によってカラーユニバーサルデザインが実現できたと確認された場合、あるいは従来品よりも大きく改善できたと認められる場合には、CUDマークを発行します。また、希望があれば認定証の発行もいたします。
カラーユニバーサルデザインの達成度の第三者による認証は、現状においてはこのCUDマークが唯一のものです。このマークを取得して製品自体や販促資料に添付することで、その製品や施設が一定の基準に基づいたカラーユニバーサルデザインを達成していることをアピールできます。
これによって、「ヒトにやさしい社会づくり」に貢献しているという姿勢を示すことができると同時に、カラーユニバーサルデザインに対応できていない競合製品・施設に対して、差別化を図ることができます。

カラーユニバーサルデザインに関する資料提供活動

カラーユニバーサルデザインに関するさまざまな資料を提供いたします。

人間の色覚に関する科学的知識や、それに基づいた現在のカラーデザインの問題点とカラーユニバーサルデザイン化へのノウハウについて、参考となるさまざまな資料を作成して、インターネットを通じて配布します。

カラーユニバーサルデザインに関する調査・研究活動

カラーユニバーサルデザインの基礎となる色覚に関する科学研究に協力し、最新の研究動向を反映した科学的なカラーユニバーサルデザイン設計手法の確立に努めます。

色弱者がどのように色が見えるのかは比較的詳しく解明されていますが、ではどのように配色を工夫すればどのタイプの色覚の人も確実に見分けられるようなデザインにできるのかは、経験則に頼る部分が大きいのが現状です。
また、色弱者以外の白内障、緑内障、糖尿病性網膜症、網膜色素変性症などさまざまな色覚のタイプの人が見分けやすい色、見分けにくい色には相反する面もあり、微妙な調整が必要になります。このためのノウハウは、まだ完全に確立されているとは言えません。
当機構は眼疾患の患者を診察する病院や大学、メーカ等と協力して、より幅広い色覚に対応する科学的ノウハウを確立すべく、研究活動を行います。