第64回 北海道図書館大会

主催:北海道図書館連絡会議、北海道図書館
日時:2024年9月12日(木)13日(金)
会場:札幌コンベンションセンター

 北海道図書館大会は全道の図書館活動の研究や情報交換の場として年1回開催されています。北海道CUDOの出展は今年で3回目。出展内容はカラーユニバーサルデザイン(CUD)の基本と事例のパネル展示と、「色のシミュレータ」で混同色(P型、D型に見分けにくい色の組み合わせ)カードを見分ける体験スペースです。大会参加者数はおよそ200人、昨年より参加者数が増え、図書館関係者や協賛展示の企業の方々も関心を深めてくださったようです。職場でも共有したいと説明を聞いたりパンフレットを持ち帰る方も…。大会パンフレットの表紙に「びわ色」の色名を発見しましたし、「色のシミュレータを使っています」の声を多数聞きました。CUDの広がりを感じながら1日目が終了しました。[杉]

大会2日目。
今回のテーマ「コミュニティーとしての図書館を考える」の大きなカギの一つが、図書館でのゲームの活用だったのですが、2日目は活用事例と展望に関する講演に引き続いてボードゲームの体験が行われ、展示会場の半分はその熱気に包まれました。我々は初日の空き時間に説明を受けましたが、世界各国のボードゲームはCUD的にも興味を引かれるものでした。
 ドイツの定番絵合わせゲームは、橙と緑、青と紫など、シミュレーションでは区別がつかなくなってしまう配色が・・・。それでもこれまで改訂されたことはなかったとのこと。プレゼンターであり講演の講師でもある丸善雄松堂株式会社(近畿大学ビブリオシアター勤務)の高倉暁大氏はご自身が弱度の色弱で、このゲームをしていても「あれ?これは違いますよ」と指摘されることも度々あったそうですが、そんなやりとりも含めて楽しく遊んでいる、とさらり。色弱者の割合が高いと言われるヨーロッパですが、色弱から生まれる支障を取り除くコミュニケーション力があるのかもしれません。また、高倉氏はデジタルゲームをそのアクセシビリティから「最もバリアフリーが進んでいる世界」であると述べられ、ゲーム開発者から色弱当事者としての意見を求められることもあると話されていました。
 さて今回、CUDガイドブック『こころの色』をご存知な方も多く、来場される図書関係者の方々にかなりCUDが浸透していることも実感できました。図書館備品を扱う企業とは今年もご一緒しましたが、備品等の商品開発が率先して取り組んでいただければと思いました。[佐藤裕子]