質問 色弱の人は世界がどんな風に見えるのでしょうか?
回答 たとえば野菜の絵があるとします。それをシミュレーションソフトで変換すると、C型にとっては赤系の色がくすんだように見えます。緑と赤の見え方が多数派と異なります。そのソフトは写真や絵をコンピュータで色変換できるものです。
その他の道具として、「バリアントール」というメガネがあります。(伊藤光学工業株式会社)。そのメガネをかけることで色弱者の世界を擬似的に体験できます。ただし、そのメガネはP型の強度、D型の強度の両方の見え方を体験できるように調整されていますので、かなり強く感じるでしょう。また、メガネをかけると世界が暗い感じに見えますが、それも実際の色弱の人にはあり得ないことです。
その他にもやや専門家向けになりますが、(株)ナナオのモニターには、色弱者の見え方をシミュレーションする機能がついています。ワンタッチで色変換でき、P型の強度、D型の強度のそれぞれの見え方を確認することができます。
大多数の人はこのような色の世界を見るとショックを受けるようです。シミュレーションの道具はどれも色弱者の見え方そのものを再現できるわけではなく、ある色とある色の区別のつきづらさを再現するものです。また、色弱者がシミュレーション前後の画を見比べて「まったく同じに見える」状態であれば、シミュレーションが上手くできていると言えます(つまり上手くシミュレートできていない状態もあります)。中には「野菜がまずそうだ」との正直なご意見をいただく場合もあります。
ただ、このように見えるからと言って決して「かわいそう」と思わないでいただきたいのです。色弱者は生まれたときからこの色の世界を見て感じて様々な経験をしてその世界の中の美しさを十分に感じているのです。「野菜がまずそうだ」とは思っていませんのでご安心下さい。一部の色が区別しにくくとも豊かな色の世界を持っているのです。
なお色弱には個人差があり、これらのシミュレーションの道具は色弱の見え方を忠実に再現しているわけではありませんのでご注意下さい。