質問 色盲と色弱の違いは何ですか?
回答 色弱はさまざまな言葉で呼ばれてきました。「色盲」「色弱」「色神異常」「色覚異常」「赤緑色盲」などなど。赤緑色盲という言葉を文字通りに解釈すると「赤と緑の色の区別ができない」と思われがちです。しかし、それは事実ではなく色盲と色弱の違いは、医学的に網膜にある3種類の色細胞のうち1種類がない場合が「色盲」と以前呼ばれていた方たちで、一般の方より少ない場合が「色弱」と呼ばれていた方たちです。見え方としては「程度の差」と言ってもよいでしょう。
日本眼科学会は2005年度、眼科用語集の改訂を行いました。その中では「色盲」「色弱」という言葉は使われなくなりました。また「赤緑色盲」「赤緑色弱」などのことばも使われなくなり「色覚異常」としましたが、ネガティブな印象があるため、もっとよい言葉を検討しているということです。
2017/8月 日本遺伝学会が用語集を大巾改訂しました。
優性遺伝→顕性遺伝
劣性遺伝→潜性遺伝
色覚異常・色盲→色覚多様性
と呼ぶようにしました。より差別感の少ない用語にするという流れだと思います。
ただし、私たち北海道カラーユニバーサルデザイン機構(北海道CUDO)と東京のカラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)では、一般的に最もわかりやすく、少しでも差別感が少ない表現として「色弱」という言葉を使用しています。さらに色覚タイプをC型・P型・D型・T型等と表現することを提唱しています。この呼び方にするとどの型が優位にであるとか、この型は正しくないとか、優劣・正誤・に分けて考えることが難しくなります。すべての型=特性は必要だったから遺伝子として淘汰されずに残ったのです。
先天色覚異常に関する用語 | CUDOでの呼び方 | |
1色覚(いちしきかく) | 全色盲(旧) | |
錐体1色覚(すいたい いちしきかく) | 錐体1色型色覚(旧) | |
杆体1色覚(かんたい いちしきかく) | 杆体1色型色覚(旧) | |
2色覚(にしきかく) | 2色型色覚(旧) | |
1型2色覚 | 第1色盲(旧) | P型強度 |
2型2色覚 | 第2色盲(旧) | D型強度 |
3型2色覚 | 第3色盲(旧) | T型強度 |
異常3色覚(いじょうさんしきかく) | 異常3色型色覚(旧) | |
1型3色覚 | 第1色弱(旧) | P型弱度 |
2型3色覚 | 第2色弱(旧) | D型弱度 |
3型3色覚 | 第3色弱(旧) | T型弱度 |
1型色覚 | 第1色覚異常(旧) | P型 |
2型色覚 | 第2色覚異常(旧) | D型 |
3型色覚 | 第3色覚異常(旧) | T型 |